アニリール・セルカン氏の経歴詐称疑惑とは

 

 

アニリール・セルカン氏とは?

 

アニリール・セルカン氏(1973年~)は、トルコ人の工学者(自称)だった人物。

東大の大学院の研究室で助手をつとめ、「11ヶ国語を操る宇宙飛行士の候補」「アルペンスキーの金メダリスト」という肩書を持ち、研究者としての経歴も輝かしいものであった。2006年に出版された『宇宙エレベーター』は坂本龍一氏が帯を書くなど、その著書も注目を浴びる。

しかし、そんなアニリール・セルカン氏の経歴が詐称なのではないかということで、大きな波紋を呼んだ。

 

盗用疑惑とは

 

セルカン氏が書いた学位取得論文の4割が盗用したものであると発覚し、東京大学創立以来で初めての学位取り消し処分を受ける。セルカン氏の指導教員をしていた松村秀一氏も、停職処分を言い渡される。

また、他にも下記のような疑惑が指摘される。

 

・宇宙飛行士候補だったと言っているがNASAの宇宙飛行士候補生リストに記載されていない

アルペンスキーの金メダリストと言っていたが、公式記録に名前が載っていない

 

セルカン氏のように世間から注目を浴びた人物の経歴が詐称ではないかという、疑惑が抱かれた事件の波紋は大きい。

 

サイコパスの一例として語られる

 

脳科学中野信子氏は、この事件をネットの登場により、サイコパスをトレースしやくなった例として下記のように語る。

 

「(この事件は)ネットがなければわからなかったことですよね。そのまま彼は東大で教授をしていたかもしれません。」

 

 「経歴詐称の問題は多くて、一発の入試とか面接では見抜かれないんですね。なのでサイコパスが生き延びられてしまうんですけど、ネットがあるとトレースできて誰もが検証できますから、サイコパスは生き延びにくい世の中にはなっているんですよ」